「あー…そこの君達」

「『はい?』」

呼び止められた遊里と小夜は同時に振り向く。

折しも新入生達を体育館に案内する仕事を、生徒会副会長の七星に頼まれて遂行している途中の事だ。

二人を呼び止めたのは、金髪、黒縁眼鏡をかけた少年。

右耳には『Ⅶ』のピアスがついており、それを触りながら冷めた目で二人を見つめる。