気弱なようでいて、やる時はやる。

アリスカは啓太の事をそう認識している。

破局騒ぎの時だって、お初の化けた猫又相手に、身を呈してアリスカを守るという男らしい姿を見せてくれた。

見かけによらず行動力があり、逞しい少年なのだ。

「大丈夫よ、啓太に危険は及ばない、私が及ばせない」

凛とした表情で告げるアリスカに、また頬を染める啓太。

彼とてアリスカのエージェントの能力は信頼している。

命を預ける事に何ら不安はない。

「ぼ、僕なんかでいいんなら…」

啓太は頷く。

「アリスカさんの任務のサポート、させて下さい」