「まさかアリスカさん、これ…」

顔を上げる啓太。

「は、初めて作ったチョコだからさ…あっ、も、勿論何度か練習したよ?雛菊ちゃんに作り方教わって、何度も試しに作った結果、一番よさそうなのを選んだんだけど…イマイチ見た目も悪くてさ…今年もお取り寄せにすればよかったな…」

頬を掻きながら照れ笑いするアリスカ。

「て、手作りチョコ…」

感涙してしまいそうになる。

貰ったチョコを両手で大事そうに握り締めたまま、しみじみと見つめる啓太。