アリスカと啓太にとっては、三回目のバレンタインデーだ。

1年の時はお互いモジモジして、チョコどころではなかった。

2年の時は破局危機を乗り越えて、ようやく素直になれた。

そして3年。

「はい、啓太」

少しはにかみながら、チョコを渡すアリスカ。

放課後、誰もいない教室。

クラスメイト達は恥ずかしがりの二人に気を利かせたのか、早々に教室を退散している。