30秒か、40秒か。

結構長い間、キスは続いた。

二人が離れた直後。

「な、な…」

雛菊、普段からは考えられないほど赤くなる。

既に読者諸君は忘れているかもしれないが、雛菊は自分から攻める分にはスペシャルハレンチだが、相手から迫られると覿面に乙女丸出しなのだ。

「あ、秋帆君、な、何を…」

「チ、チョコのお礼です」

秋帆の白い肌が紅潮するが、小麦色の肌でも丸分かりなほど、雛菊も赤面していた。

珍しい雛菊の恥じらう姿。

貴重なその姿が、余りにも可愛くて可愛くて。