そして私の家

近くに着いた。


月冴さんが

車を止めて

運転席から降りて

助手席のドアを

開けてくれる。


「あ、ありがとう
 ございます・・//」


男性にされたことのない

行動に少し戸惑って

しまう・・・。


車から降りて

今日のお礼を言おうと

月冴さんと向き合った。


月冴さんが

私の手を引き

抱きしめられた。


「つ、月冴さん?!//」


月冴さんの腕の中で

私より背の高い

月冴さんの顔を見上げた。


「・・兄と・・
 キスしてみますか?」


「え?」


そう言った月冴さんは

片手でメガネをはずし

少し長めの髪を

かきあげた。


かきあげられたせいか

髪が短くなったように見え

私を見下ろす顔は

瑞城先生と瓜二つ・・・。



「桐乎・・・。」




少し低い声で

私の名前を呼ぶ・・・。




そして私は







キスをした―――。