駐車場から

神社まで歩いた。


はきなれないゲタの

せいでいつもより

ゆっくり歩く私に

芹沢さんは歩調を

合わせてくれる。


神社について

屋台の雰囲気に

一気にテンションがあがった。


「きゃ~♪
 りんご飴がある~♪
 あ!金魚すくいだぁ!
 綿菓子もある~♪♪」


つい芹沢さんの

腕を引っ張って

はしゃいでしまった。


「あ・・すいません//」


「いやいや!
 いいよ(笑)
 星音ちゃんはかわいいね。」



やさしい笑顔で


初めて名前を呼ばれて



ドキンとした。



「そ、そんなこと//」


「奥にもいろいろ
 あるみたいだから
 ゆっくり見て決めるといいよ。」


そう言って

ゆっくり歩きだした。



芹沢さんは

とても優しくて

大人で・・・

少しドキドキした。



屋台の光で照らされる

芹沢さんの横顔は

いつの日かの

夕日で照らされた

瑞城先生を思い出す・・・。


私の視線に気づき

優しい微笑みを返してくる

芹沢さん・・・。


私は赤くなって

目をそらす・・・。


「いっぱいありすぎて
 決められないの??」


と、少しからかうように

聞いてくる芹沢さん。



「ち、ちがいます!//」



赤くなりながら

返事をする私は

恋をする女性

そのものなのだろう・・・