「お互い相手の心も確かめないで勝手に自己完結しちゃって、馬鹿みたいだったね」

 冷めないうちに食べないとと思って、私は急いで残りのハンバーグを全部食べきった。
 それで、空になった皿を眺めて二人で食べる食事はやっぱり最高だなって思った。


「そうだ!琴美に今日伝えたいことっていうのをまだ言ってなかった」
食べ終わった食器を片付けながら、綾人が思い出したように寝室に入って何か
 
 小さな箱を手にして出てきた。
 布巾を干して、私は綾人の方に近寄った。

「これ、渡そうと思ってたんだ。ちょっと強く握っちゃって包装がくしゃくしゃになっちゃったんだけど。開けてみてくれる?」
そう言って、彼はその小箱を私の手にのせた。

 可愛いリボンのかかったその箱を丁寧に開けてみたら、中にはキラリと光るダイヤのついたリングが入っていた。

「綾人、これ!?」
 それが何を意味するのか分かったんだけど、確かめずにはいられなくて彼の顔を見上げた。
 綾人は優しく微笑んで、箱の中からスッと指輪を抜いて私の左手の薬指にはめた。

「琴美。これは真面目なプロポーズだからね」

 そう前置きをして、綾人は真剣な顔をした。