衆議院議員◇真実 一路◇




そして……物々しい雰囲気の中、民民党党会議は開催された。





「総理!この時期に消費税増税なんて、あなたはいったい何を考えているんですか!」


「これでは、次の選挙を戦えないっ!」


総理に向かって猛然と抗議する反対派の議員。


しかし、中には消費税増税に賛成する議員もいた。


「いや、どのみち今のままでは社会保障は破綻する!増税は必要ですよ!」


「次の世代にツケを残さない為にも、安定した財源が必要だと私は思いますけどね!」


「こんな時に増税すれば、低所得者層は暮らしていけない!景気はますます悪くなるぞっ!」


「景気が悪いのは、将来の保障に希望が持てないからだろ!社会保障の充実は今必要なんだよ!このハゲ!」


「ハゲとはなんだ!バカヤロウ!」


「バカで悪かったな!この田舎者!」


「うるさい!お前の母さんデベソ!」


「なにを!このスットコドッコイ!」


途中から、ただの悪口大会になっているような気もするが……


とにかく、消費税増税の是非については双方意見が折り合わず平行線をたどるだけである。


すると、そんな論戦に割り込むように幹事長が間に入った。


「まあまあ、皆さん落ち着いて。
互いを否定するばかりでは、話が進まない。

今の国の財政が厳しいのも確かだし、しかし消費税を増税すれば、低所得者層の反発が出てくるのも事実でしょう……

だったら、例えばですね。

この際、高級品等の消費税は大幅に上げて、生活必需品の消費税は非課税にする……なんてのはどうでしょうかね?」


あ…………


幹事長が私の意見をパクった……


それ、私が昨日キャバクラで言ってたやつですよね?…………



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