「自然体の方がいいんじゃないですか?
私もその方が落ち着きますし」



ただでさえ御曹司相手だし、
その方が気楽!



「ふーん…じゃあさ」



アギトくんがにっこり笑顔で
私の手を握ってきた。



「このみちゃんも俺のこと呼び捨てで呼んで?
あと、敬語禁止」



「えっ…!」


手をしっかり握られ、満面の笑顔で
私に笑いかけるアギトくん。



「その方が自然体にいられるな」



「で、でも私…先輩には敬語使うって
ポリシーを自分で貫いていて…」



(部活でもそうだし、第一、
年上に敬語なしで話すなんて私には無理!)



「俺のこと先輩だなんて思わなくていいよ。
このみちゃんに敬語使われたら嫌だな」