「ありがとう。やっぱり俺は、
このみちゃんが好きだ」
やられたというような顔で、
愛おしそうな目で見てくる。
(この人の瞳、本当にずるい)
ドキドキしたなんて本人に当分言わない……!
庶民を相手にするわけないって、
あれだけ自分で言い聞かせてきたのに、
こんな事、真剣な顔で言われたら…
本気だって勘違いしてしまいそう…
「アギトさんって、
本当は『俺』って自分を呼ぶんですね」
「え、今俺って言ってた?」
「少し前から言ってましたよ」
「うわ、恥ずかしい…自分を出してたかも…」
珍しく慌てふためくアギトくん。

