「いくら僕でも、安易にカードを貸したりしないよ」
春日井アギトは綺麗な顔を緩める。
「ちゃんと、君なら大丈夫だろうと思ったから貸すんだよ?」
「…っ!!」
な、なんなの…………この感じ…!!
心臓が…凄いバクバクいってる…
「…いや、けどカード借りるなんて無理です!!とりあえず今回は私が立て替えるのでいいです!」
そう言ってくれるのは嬉しいけど、
さすがに人様のカードなんて
持ち歩けないよ…!!
「一応これ私の連絡先です、
何かあったら連絡してくださいね!」
「分かった。ええと……」
「このみちゃん」
……っ
彼は、まるで物語に描かれていそうな、
綺麗な笑顔を私に向けた。
そんは顔で名前呼ばれたら……
誰だってドキドキしちゃうよ
「い、行って来ます!!」
そう言って、私は走り出した。

