あいにく姫華は小学受験をした為、公立と私立で小学校は別々だった。

私立の小学校に行っても姫華は姫華だった。

誰に対しても、優しい姫華。



この時から姫華に恋心を抱いていたことに、まだ俺は気づかないでいた。


『好き』?と聞かれたら好きなんだけど、それは友達としての『好き』だと当時は思っていた。





希子が真っ直ぐに母さんを見つめた。
母さんは「いい友達がいてよかったね」と優しく微笑むと、部屋を後にした。


「あたし、姫華に会いたくなってきた」

希子が嬉しそうに呟いた。