史上最悪最低男


『あぁ…千紘

美柚ちゃんの事なんだけどな

家庭教師やめさせてほしいと言ってきた。』


『は…?』


それは中3の秋。

『な…んで?』


『おまえの成績も上がってきたしな。』

いや、そんなわけはない。

数か月後には入試が迫っているというのに

そんな大事な時期にそんな理由で

あいつはやめない。

『あと、あれだろーな』

父さんは思い出したように言った。