史上最悪最低男


だけど、そんな僕にまたも悲劇が訪れる。


『こんにちは。千紘くんっ!
琥嶋 美柚です。よろしくねっ』


中1の冬、僕には家庭教師がついた。

父さんが成績が下がり気味の僕につけたんだ。


でも、よりによって女なんて。

まぁ、クラスにも女子はいた。

でも極力関わらないように適当にあしらっていた。


『んーと、千紘君が苦手なのは英語と社会って聞いてるけど合ってるかな?』


ニコッと笑うその顔がとてもうさんくさくて。

母さんも笑うととてもきれいで優しかった。

なのに、あんなにも変わってしまった。

こいつにだって、その顔の裏に何かを隠しているんだ。


『千紘くん?』

『そうですね。合ってますよ。』