「廊下に走り出したあとは、 …ただもう苦しくて。 自分でも なんでか わからなかった。 どうしてなの…って。 …最後は、 弾(はじ)けたみたいな 感じがして。 気がついたら… 布団にうずくまってた。 私は自分を責めた。 “自分”に、 勝てなかったから。 …思ったの。私が透明に なってしまうのは、 もう、人と関わらずに 生きていくしかないから なのかな…なんて。 そんなわけ、ないのにね。」 すすり泣く音が聴こえる。