「ねえ… 私の手、見えるよね?」 栞が手を前に出す。 「…触って…?」 栞の手の平が、わずかに へこむのがわかる。 「ね? “見えなくても、 ここにいる”。 …友海ちゃんも、ほら。」 あっけにとられていると、 栞に手をつかまれた。 私も、手を前に出す。 冷えきった指の感触がした。 「私たちがついてる。 辛かったら、 ぶつけていいんだよ。」 「そうだよ、瑠璃! “いっちばんの友達”、 頼ってよ!」 負けじと私も続いた。 「…ありがとう。」