「待って、瑠璃!」 瑠璃は振り向いた、 ように見えた。 「…瑠璃ちゃん? ……あの子?」 私に、瑠璃を 指差しながら聞く。 私は瑠璃を見ながら 頷(うなず)いた。 瑠璃のもとへ駆け寄る。 瑠璃は私に手を取られて、 たぶんその手を見て、 気づいたんだと思う。 また、“消えてた”んだ。