そうやって 何もしないで時間を過ごし、 一人になった教室で 得体の知れない悲しみに 歯をくいしばって耐える。 …いつまで続くのかな。 いや、終わりなんか あるのかな。 ――ねえ、 ちょっといい?―― …だれ?…聞き間違い? 教室にはだれもいない。 みんな、私にかまわず 帰っちゃったから。 …なのに。 視界の端に、人影。 制服が見えた。