もう色も臭いも形もない。 何も感じない。 なにもほしくない。 もう悲しい思いは したくない。 …なんて、強がってるだけ なのかな。 ふと机に視線を落とすと、 机の茶色が、 うっすら色の残る手を 透かして見えた。 手を絡ませて、強く握って、 涙をこらえていた。