「それで…あのとき。 …思い出したくないけど。 ふわっ、て 体が軽くなったような そんな感じ。 そして… 足の下に広がる 柔らかい感触。 涙が止(や)んで、 ゆっくり目を開けてみる。 『…ベッドと、 …私の部屋………。 …………?!』 思わず立ち上がった。 『な…、なに?! なにが起こったの?!』 もっとびっくりしたのは そのあと。 息を整えて、状況をつかむ。 ――そういえば、 外にいたなら、靴を 履いてたはず。 …と思って、 靴を脱ごうとしたら…」