「私の名前、 山中 栞(やまなか しおり)は そういう意味をこめて つけられたらしいの。 まわりの人が 辛そうなとき ――山の中で 迷ってるとき、 その道標になれる、 そんな人に なってほしい って。 だから、私も それを信じて 過ごしてきた。 けど、いつからだろう。 自分に、自信が なくなったんだ。 頭もよくないし、 足も速くないし、 目立つわけでもないし、 …友達も いなかった。 …うらやましかった。」 目が真っ赤だ。 声も、かすれている。