「なあにそれー!
ちょっとって秘密事ー?」
美月が私に詰め寄る。
今まで美月には何でも話してきたし、やっぱり話すか…。
私は人がいなくなった放課後の教室で美月にその男の子の話をした。
美月はずっと黙ったまま聞いていた。
「…ということがありまして。
私は頭の整理がつかないというか」
「それ!!!
東郷(とうごう)さんじゃない!!?」
美月は体を乗り出した。
「東郷さん?」
「体育館にいたんでしょ?
そしたら隣のクラスじゃん…
そんな美少年は東郷さんしかありえないって」
確かに…体育館にいたなら間違いなく隣のクラス。
うちのクラスにはあんな人いなかったし…
あっでも…
「制服だったんだけど…」
「東郷さんは滅多に体育やらないから見学ばっかりって聞いたことある」
なるほど…
確かに細くて体育なんて無縁です。みたいな感じだったもんね。
