体育館にはもうたくさんの人が集まっていた｡
今日はなるべく補欠になって参加するのはやめよう…上の空だし…
私はコートの横に体育座りをしながらみんながバスケットボールをするのを見ていた｡
活発に動き回る美月｡
美月が動くとみんなが動く…
そんな風に見えた｡
美月が風を作るたびになぜか私が心地よくなってく気がする｡
｢桃！あれが直人くんだよ♪｣
隣に座るなり隣のコートを指さす真由子｡
指のさきにいるのは､身長がぐっと高くて日に焼けた体をした男の子だ｡
明らかモテる男!!!のオーラを醸し出している…
｢なっなんかきらきらした男の子だね｣
｢現役バスケ部だよ！
すっごいかっこいいよねえ｣
うっとりしながら直人くんとやらを見つめる真由子｡
それを見つめる私…何だろうとてもうらやましい｡
