「おはよー!!!」


私の毎朝の日課。それはお隣の東條くんを起こすこと。

…なんて漫画のようにはうまくいかないのが人生なのです。




「……菜乃、うるさい」

「はーい」



私が起こすまでもなく東條くんは私が彼の家に着く頃には制服もしっかり着こんでばっちり。

だから実質起こしに行ってると言うよりも迎えにいってるだけなんだけど…。



怒られちゃった。うるさいって。朝から怒られたー!しょぼんと俯いていたら。




「菜乃、」

「……なによー」

「その膨れっ面3歳児に見えるよ」

「そんなことないよっ!」



「嘘。かわいい」

「!」



ぽんぽんと私の頭を撫でて柔らかく笑ったあと階段をすたすた降りていってしまった。

その後ろ姿をぽーっと見ながら思ってしまう。毎日毎朝思う。


かっこいい。

東條くんは世界一かっこいい。