「パパにはあんたから言いなさい。 お母さんは言わないから。 お母さん、とりあえず卵を本気で買い忘れてるから行って来るわね」 お母さんは私達にパチリとウインクして外に出て行った。 ――パタン。 玄関のドアが閉まる。 …………。 何なの………。お母さん……。 「さて」 お兄ちゃんが振り返る。 「禁断の愛だと思いつつも好きだと言ってきた可愛い妹を俺はどうしたらいいのかな」 「え」 「お兄ちゃんでいてほしい? それとも彼氏になってほしい? それとも……全部やめて他人に戻ろうか」