そんな私を慶太がクスクス笑って見ている。 「笑うな!」 私はリビングのドアをバンッと閉めると階段を駆け上がった。 自分の部屋に滑り込むように入りドアを背にズルズルッと腰を落とす。 「…………」 ……ビックリした。 パッと鏡の中の自分と目が合い、愕然とする。 う………っ…。 何じゃ、それは。 ……胸がはだけたヨレヨレのパジャマ。 頭は鳥の巣といい勝負。 寝惚けて腫れた瞼。 ……信じられない。 ここから逃げ出したい。