「………ふ、ふふふっ」

何だか可笑しくなってきた。
思わず笑いだしてしまう。


「バカにしてるの?何が可笑しいんですか」

そんな俺に噛みつく彼女。

そうだよな、ナイよな。
俺もそうだよ。
地味で暗くて真面目で。つまらなさそう。ガードも固いだろうし。

「そんなに警戒しないでよ。
君とどうにかなろうだなんて思わないよ」

「そうよ、当たり前でしょ。
私だって……」

俺は彼女の弁当の中の卵焼きをひょいとつまむと口にポイッと入れた。

「ちょっと…っ…!」


彼女を見て言う。

「誰だってそうさ。相手を知ってから好きになるんだ。外見だけじゃ飽きたらずに中身も、ね?」