「最低よ!やっぱり噂通りの男だったのね!」 言い捨てて彼女は走り去っていく。 その姿を見送りながら、溜め込んでいた息をゆっくりと吐いた。 「うぜ。……土曜はデートだって言えたらどんなにスッキリしたか」 一人呟いて再びため息をついた。 あーあ。 都合が良かったのに。 暇潰しには退屈しない相手だった。 だけどこれでまあ、いいか。 言い訳する手間が省けた。