洋子さんに促されて、口にいれた卵は、 あったかくて、美味しかった。 じわ、と潤んだ私の目を見て、店長さんは 少しびっくりしたように眉を上げた。 「裕美ちゃん?どうかした?」 「・・・いえ・・・」 ちらりと上げた目が合うと、店長さんは 私の気持ちがわかったように、少しだけ 口元を上げて、鍋に目を戻した。 「いいえ、なんでも」 私はなんだか心があたたかくなり、 ゆるむ目元が見えないように下を向いた。 「美味しい、です。本当に・・・」