「はい」

もの珍しそうに店の中を眺めながら、
返した答えは、短かったけれど。


なんだか、親しげな雰囲気。


彼が選んだのは、いつもと違う
奥まった座敷スペース。

閉めきることも可能なので、
宴会等に使うことが多いが、
昼間はあまり使わない場所だった。

「どうぞ」

大丈夫です、と頷いて見せながら、
私は揺れる心を隠せないでいた。