じゃあ、と言った彼は、卓也に歩み寄ると
短く言葉を交わし、肩のあたりに軽く
拳を当てると、帰って行った。

部活の先輩にするように、軽く
頭を下げる卓也。

そして、どこか気まずそうにして来た
卓也と一緒に、店の戸を開ける。

「いらっしゃい」

多分、ほとんど聞こえていたんだろう。

店長と洋子さんがにこにこと迎えてくれて、
私達は菜華でお昼ごはんを食べた。