振り返った視線の先で、のれんが
軽く持ちあげられる。

見覚えのある、骨ばった大きな手。

「いいですか?」

シャツにジーパンという私服スタイルに、
あたたかそうな皮のブルゾンを着た彼は、
いつもと違って、
でも、いつも以上にステキだったけれど。

「いらっしゃいませ!」

私は笑顔で迎え入れることができた。