勤務時間が終了し、帰宅しようとロッカーに手を掛けた時後ろから声をかけられた。


「瑞穂、今日クラウン行かない??」


そう言って首を傾げる彼女は同僚の小堺ゆきだった。


「クラウン??そういえば最近甘い物食べてなかったかも…。」


クラウンとは、会社からバス停5つ分程離れた場所にあるケーキ屋でこれがまた病みつきになる位に美味しいケーキが揃っている店だ。


「やった!今秋の新作ケーキがあるんだって!!絶対食べなきゃって思って!!」


ゆきは余程食べたかったのか目を輝かせている。


まぁ、そういう私もとても楽しみなのだが。