「俺、今日もう帰るわ」


楽しく盛り上がっている友人をよそに俺は店を出てタクシーに乗った



後部座席の窓にもたれジャケットのポケットから携帯を取り出し大学時代の後輩である沙耶に電話した



「賢治さん、パーティー抜け出してどこに居るんですか」




電話の向こうは騒がしく沙耶はまだ六本木のクラブにいるようだ



「今からいつものホテルな」



沙耶に一言だけ伝え電話を切った