数十分後


黒服に連れられ華が俺の目の前に立っていた


紺色のロングドレスに身を包み目の前に立つ華は今まで見てきた中で一番綺麗に見えた



「…」



両サイド囲むように座っていた女と入れ替わり華は静かに俺の隣に座った



「気付かなくて申し訳ございません、灰皿すぐ用意致しますね」



華の一言に俺は自分が煙草を持ってきていない事に気付いた



と同時に華の言い方が引っ掛かる


「…何か飲めば」


テーブルに置かれている酒を見ると華は黒服を呼びウーロン茶を頼んだ



そんな華の姿が俺をイラつかせる


何だよその態度…



「ドンペリあるのに…もしかして人の飲みかけ駄目な人?新しいの入れる?」




苛立ちが声になって出る



華はテーブルを見つめ笑った


「別に人の飲みかけとか関係ないですよ

ただ私、炭酸一口も飲めないだけなんで」


と自分のドリンクを作りグラスを差し出してきた



「いただきます」