その瞬間



「華さん」



黒服が華を呼びに来た



我に返ると華がウイスキーの水割りを俺の前に置いた


「今日は結構、飲んでいらっしゃると思うのでお体には気を付けてくださいね」



そう一言だけ言い席を立った



フロアーを優雅に歩く華の後姿をただ、見ながら最後に作った水割りを飲んだ



「薄っ…」


俺は小さく呟いた



色付き程度で作られたウイスキーの水割りに華の優しさを感じた