マンションに着くと部屋からは灯りが漏れていた



「お帰りなさい…」


笑顔で駆け寄る華の目を見る事が出来ずリビングのソファーに座った





そうか…


この胸の奥にある苛立ちは自分に対するものだったなんて…




「賢治さ――」


華が何かを言いかけるのと同時に俺は勢いよく立ち上がった



「うるさいな、そもそも最初に言ったよね?お互い干渉しないって

何を期待してるか知らないけど所詮、政略結婚なんだよ」



そのまま逃げるように書斎に入り扉を閉めた




ただの八つ当たりだ…


自分の殻に華を閉じ込め利用して…



扉に凭れ座り込んでいると玄関の扉が閉まる音が聞こえた



きっと華は泣いてる…