食卓には美味しそうな朝食が準備されていた


卵焼き無いんだ…



そこには卵焼きの変わりにハムエッグがあった



家族で食事なんてほとんどした事が無い俺は華を目の前にただ、ひたすら黙々と食べた



「あの…、お口に合いますか?」


心配そうに尋ねてくる華に冷たく返事をし、わざとらしくカバンの奥にしまい込んでいた指輪を渡す


「はい、コレ」


俺が渡した指輪に華は複雑な表情を浮かべる



「今日は接待だから遅くなる」



指輪を見つめている華に一言いい席を立つとキッチンの奥にはお弁当箱が2つ並べられていた




俺の分…?



素直に聞けばいいのに政略結婚という4文字が邪魔をする




何も言えないまま俺は、ため息をつき家を出た





俺は一体、何がしたいんだろう…



自分が分からなかった…