「最近よく来るね」


隣に座るケバイ女が言う



「好きな酒入れていいから少し黙っててくれない?」



隣の女に目を向ける事も無く冷たく言うと女は不満そうにソファーに深く座り黒服に店で一番高いウィスキーを注文した




席に付く女なんて誰でも良かった



俺の目には遠くで接客をする華の姿しか映っていなかった




自分に向けられる事の無い笑顔で他の男と話す華に苛立ちながらも本当は何も出来ない自分に腹が立つ



華の作った卵焼きを食べた、あの日から何かが変わってきていた