「乾杯!!!!」


社長就任の祝いに六本木のクラブを貸切、友人がパーティーを開いてくれた



中には俺の知らない奴もいる



周りには下心が見え隠れする女達が俺を囲むように陣取る




「賢治知ってた?」


隣で会話していた友人が俺に話しを振ってくる


「ん?何が?」



「成瀬の好きな人」



「成瀬…」


俺はその懐かしい名前に一瞬、反応してしまった


学生時代に友人と会社を立ち上げ今では一部上場企業の仲間入りを果たしている



当時から外見も良く誠実を絵に描いたような男


友人も多く、いつも人に囲まれていたのに何故か女の話を一度も聞いた事は無かった