「…あいつの子供よ…。」


 へぇ~と私は…千夏に詰め寄る…。


 千夏の彼は今年、人事異動でイギリスのロンドン支社に転勤となり…千夏も部署を任されるチーフの為遠距離恋愛を強いられている。


 「よかったじゃない!?」


 「よくない!?」


 千夏は…怖い顔で私を睨んで目の前のウーロン茶を一気に飲み干した。


 「あいつと夏にあって以来…喧嘩したままでそれきりあってないのよね…。

 ただこの間連絡取り合って子供が出来た事は伝えたんだけど…。」


 いつも勝ち気で強気な千夏が眉を歪めて弱気な口調で言葉を連ねた。


 「…あいつから…仕事を辞めてロンドンで一緒に暮らさないか?って言われたのよ…!」


 「えっ~!? いいなあ~!」


 私なら即OKで次の朝にはきっと辞表を出しているだろうと思いながら千夏の立場も考えた。