エレベーターのボタンを押して上昇する回数を眺め先程の出来事を反芻した。
あんな大人しくて頼りなさそうな彼だけど…本蔵さんにくってかかるほどの激しい一面があること…。
宗大もそうだった…。
いつも普段は見せない分だけ…内に秘めるモノは激しかった…。
大人しい人が怒ると恐いって聞いた事があるけど…まさにそんな感じだなあって思う中エレベーターの上昇する階数を見上げた。
…チン…
やがて目的の階数につき扉が開く…。
そのまま直進して高森くんのママの病室に続く廊下を歩いている遥か遠くに病室の前で佇む高森くんの姿を見つけた…。
遠目にもその哀愁の漂う背中からも落ち込んでいる様子が伺えてくる。
私は足早に進み高森くんの横に並んだ。
「橿原さん…。」
私の影に気づき力なく声をあげた彼の手を握った。
「大丈夫…。
高森くんが信じなくてどうするのよ…?」
「…………うん………。」
気休めでもいいと思いかけた言葉に力なくは頷いた…。
「私…必ず隣にいるから…。
安心して………。」
握った掌から小刻みに震える振動が伝わってきたのに私は握った掌を握り替えした。

