「千宗…ゴホッ…。」
お母様は心配そうに美しい顔を歪めて高森くんに声をかけた時…急にむせ込んだ様子に高森くんはナースコールを押して知らせた…。
やがて…パタパタと看護士さんが飛んできてお母様の身体を支えるドラマのような光景を目の当たりにしてそっと邪魔にならないようにテーブルに花瓶を置き病室をでた私はすぐさま本蔵さんの後を追いかけた。
足早に私はエレベーターに乗り込もうとしていた本蔵さんの姿を見つけてエレベーターの扉が閉まり込むのと同時に中に滑り込んだ。
エレベーターの中には…生憎本蔵さんしかいないのを確認した私は決意を込めてピッと顔を上げた。
「本蔵さん…。
私…。
やっぱり彼の学校に編入させて下さい。」
突然エレベーターに滑りこんできた私をただ冷静に見つめた。
「…ありがとう…。」
少しの沈黙の後に…口角をあげて寂しげにフッ…と笑ったその表情が宗大との面影を彷彿させた…。
チン…と次の階でエレベーターに乗り込んできた人達に押されて私は壁際の方へ流され本蔵さんと寄り添い並んだ。

