足早に廊下を歩きながら思いが高ぶり拳を握りしめた…。
やがて角を曲がった先にちょうど花瓶に水を入れて花をいけた高森くんを見つけた。
「橿原さん…どうしたの?」
高森くんは私の姿を見つけて不思議顔で問いかけた。
「あっ…。
ちょっとね…。」
高森くんは…ますます不思議顔で私の横に並んだ。
しかし近くで見れば見るほど冴えないなあ…。
いかん!!
いかん!!
こっちに遊びに来てる訳じゃないんだから…。
「うん…。
ちょっとね…。
ねえ…。
私がこの花瓶持っていてあげるよ。」
高森くんに手を伸ばして手にふれた瞬間花瓶を持つ手を突然引いた。
「いいよ!!
大丈夫。
それよりどうかしたの…?」
メガネの下から覗かせるほのかに赤い頬を色づかせる。
「うん…。
しばらくここで…お話しようよー。」
「えっ…。
ここで…???」
確かに何の理由もなく…廊下で話そうって言われても困るよなあ…と思いつつ話題を探した。
「…もしかして…。
母さんに何かあったの…?」
虚ろに会話を探す私の様子に不安そうに尋ねた。

