我に返った私を高森くんは…不思議そうに四角いメガネで隠れた眉を下げて尋ねられて私はバツが悪くなって急かした。
「そういえば…お母さんの病室って何階だっけ?」
心配そうに私の顔を覗きこんだ彼は…自分でエレベーターの4階のボタンを押したのに…ふいに会社で宗大とエレベーターであった時…すっと横からエレベーターのボタンを押した記憶が思い起こされて私はマジマジと高森くんを見つめた。
同じシチュエーションといえば…同じシチュエーションだっただけという見方もあるかもしれないけど…ふいにみせたその仕草と見覚えのある長い綺麗な指に魅せられた…。
「な…なに…?
ど…どうしたの?
橿原さん…。」
エレベーターは…いつの間にか上昇している音すら聞こえずに高森くんを見つめつていたのに彼は俯きながら赤面して声を絞り出した。
「あっ…!
いや…!
何でもない…!
なんかボッーとしちゃった…(汗)」
高森くんの声に再び現実に引き戻され我に返った私は慌てて作り笑いした頃――。
“チンッ‥‥。”

