私は恐る恐る部屋から出て玄関先へと歩みでた…。
彼は玄関先で棒立ちのままでいた。
私は近づいて後ろからその背中を抱きしめた。
「…橿原さん?」
突然抱きついてきた私に驚いた彼は…私を振り返り様にみて尋ねた。
「高森君…。
早く病院行こう…。」
本当は…力になりたいとか…伝えたかったけど…こんな事があった後だけに今は…言葉を飲み込んで一刻も早く外に連れ出したかった。
「わかった。
怖い思いさせてごめんね…。」
背後から腕を回した手をほどき踵をかえして肩に手をおいた。
慰めるつもりが…逆に慰められている気がして自分の無力さに自己嫌悪感を抱えた。
「ちょっとだけ…待っててね。
急いで支度するから…!」
高森君は…気丈に強張った表情に無理矢理笑顔を作って奥の部屋へと進んだ。
残された私は…玄関へと進み靴に履き替えて彼が部屋からでてくるのを待った。
「お待たせしました。
いきましょう…。」
支度を軽く済ませた彼は私服姿で奥から登場して私達はとりあえず高森君の家を後にしてエレベーターに乗り込んだ。

