エレベーターは、15階へと私達を乗せて上昇する。
…チン…。
15階を知らせるエレベーターの音ともに扉が開いた。
管理人さんが…15階のボタンを押した時からなんとなく…とは感じてはいた予感通り…エレベーターを降りた管理人さんはある部屋の前で歩みを止めた。
「ここが…橿原さんのお部屋です。」
先に荷物を入れているからか…部屋の中では…物音がもれてきたその扉の前に私は立たされドアノブに手をかけた。
エレベーターが再び上がってくる音がした後…チン…というベル音が廊下に響きエレベーターを降りてきた学生に私は凝視した。
頭の中に記憶している卒業写真と本人が重なり一致した。
…高森 千宗…。
彼だと一目で分かった。
しかも‥更に驚く会話がこの先繰り広げられる‥。
「千宗…。
今‥帰りだったのか?」
エレベーターを降り背筋を曲げて‥俯きかげんでメガネを抑えつけて歩き出した彼は‥管理人さんに気づき声をあげる。
「あっ‥。
おじさん‥。」
か細い小さいトーンだったが‥どこか聞き覚えのある声で管理人さんに叔父さんと返した言葉に私は‥言葉を失い口をポカンとあけたままその様子を見る。

