「今日から家庭教師として…通わせて頂きます。
志藤啓信〈シドウアキノブ)といいます。
よろしく…。」
うっとりするほどのイケメン家庭教師に手を差し出され…読んでいた雑誌はそっちのけでキラキラとまぶしい笑顔に誘い込まれ手をとり握手を交わした後…問題集を前に並べられて編入試験のお勉強が始まった。
高校生の問題なんて…と甘く踏んでいた私は…余りの難題に苦戦…。
それを…優しく丁寧に教えてくれる家庭教師にうっとり…しながら…暫くこんな病院生活を送る。
「傷口も完治してますし…身元引き受け人も見つかり良かったですね…。」
診察を終えた私は…病院の先生から身に覚えのない事を言われて…。
「えっ…?」
…と聞き返したが軽く流されて…。
「明日…退院です。」
…と退院宣告された。
…そして、迎えた退院当日…。
「お世話になりました。」
「記憶障害の件もありますので…また…何かあったら通院の時にでも仰って下さい。」

