「ああっ!
橿原さん!
本蔵さん!」
私達に気づき彼は管理人室から姿を表した。
「すみません…。
ご迷惑をお掛けしてしまってゴメンナサイ…。」
私は深々と頭を下げたのを見て彼も遅れて頭をさげた。
「イヤイヤ…。
ただ…あまり騒ぎが大きくなるとね…。」
…苦笑いをしながら言いにくそうにして戸惑う仕草を察知し決心を固めて私から切り出した。
「これ以上…ご迷惑おかけするわけにはいかないので…近々マンションを出ます。
本当に…ゴメンナサイ…。」
「あ…いや…ほんとにこっちも申し訳ない…。」
私の言葉に…管理人さんも頭をさげた。
「でも…アテはあるのかい?」
管理人さんは…宗大をチラ見しながら心配そうに尋ねた。
「友人がイギリスでカフェをやってるのでそちらを訪ねてみます。」
管理人さんは…「そうかあ…。」と呟いて何度も私に申し訳なさそうにしていた管理人さんに頭を下げて謝罪しその場を去った。
「15階まで送るよ」
エントランスの奥にあるエレベーターに乗り込みながら…彼はエレベーターのボタンを押した。
エレベーターが15階まで上昇する間二人ともしっかり手を固く繋いだ…。

